今日昼休みに、友達が持ってきた本にあった、誕生日と血液型でわかる相性占いをやってみた。みんな、好きな人や彼氏との相性を占ってたみたいだけど、私は友達との相性を占った。すると、みんなに「そういえば、って好きな人居ないの?」なんて言われたから、「うん、居ないの。残念だなぁ。できたら、報告するね。」って誤魔化した。・・・本当は、同じクラスに居るんだけど、だからこそ、本人に聞かれたらマズイから。いや、昼休みは練習に行ってるから、聞かれるわけはないんだけど。でも、友達には悪いけど、念のため私は言わなかった。
だけど、気にならないこともないわけで。いつも通り、一緒に部活へ行く途中、ちょっと聞いてみた。
「日吉の誕生日って、12月5日だったよね?」
「・・・・・・そうだけど。何だよ、突然。」
「なんか、今日の昼休みに、友達と占いやってて。それで、誕生日とか血液型の話をしてたから、何となく。・・・血液型は、何型だったっけ?」
「AB型。」
「あぁ、そうだったね!天才肌のAB型だった!」
「・・・・・・馬鹿にされてるみたいなんだが。」
「そんなことないって!AB型は変わった人が多いって言われるけど、日吉は天才タイプのABだよ!あと、芥川先輩もABだったなぁ。先輩もボレーの天才だしね。仁王先輩もABだったはずだけど・・・。仁王先輩も天才タイプだよね。」
「・・・・・・・・・先輩のも覚えてるのか?」
「ん?まぁね。跡部部長がA、忍足先輩、滝先輩もA、宍戸先輩と向日先輩がB、鳳くんと樺地くんがO。それで、芥川先輩と日吉がABだったはずだよ?」
「・・・立海も?」
「立海も、一応。でも、立海はもう忘れてきてるかな・・・。幸村部長、真田副部長、柳先輩、柳生先輩がAで、丸井先輩がB、桑原先輩と赤也がOで、仁王先輩がAB・・・だったと思う。」
「へぇ〜・・・。よく、そんなくだらないこと覚えてられるな。」
あ・・・れ・・・?何だか、日吉の機嫌が悪くなった。血液型とか、そういう話、嫌だったのかな?・・・いや、血液型で天才だ、とか決め付けたのが良くなかったんだ、きっと。
「まぁ、血液型で人は判断できないけどね!でも、そういうことは覚えられるの。」
「・・・そうか。」
あぁ、何だかまだ怒ってるみたい・・・。こんなことなら、血液型の話なんてしなければ良かった・・・。
そんな落ち込んだ表情の私と、少し不機嫌な表情の日吉に、横から誰かが声をかけた。
「お2人さん。何て顔しとるんじゃ。」
忍足先輩とも違う、この特徴的な喋り方は・・・。
そんなことはないと思いつつ、私は声の方を向くと、やっぱり予想通りの人が居て、思わず大きな声を出した。
「・・・え?仁王先輩?!」
「よぅ、元気だったか、。」
そう言いながら、私の頭をポンポンと軽く叩く仁王先輩は、相変わらず不思議なオーラがあった。仁王先輩は、こう人に心を読ませない、そんな雰囲気が出ている。そんな先輩だけど、なぜか私は落ち着ける。それも懐かしいなぁ、なんて思った。
って、そんなことは、どうでもよくて。
「どうして、ここに?!」
「いやぁ、ちょっとオツカイじゃ。監督さんに、これを渡しといてもらえんかのう。」
少し大きめの封筒を渡され、私はわかりましたと受け取った。
「で、ついでに、敵情視察でもして行こうかと。」
「それは、柳先輩の仕事なのでは?」
「そうじゃな。俺は、の様子見ってとこか。」
そんな風に、笑いながら冗談を言い合っていたら、また、仁王先輩が私の頭の方に手を持ってきた(たぶん、いつものように、わしゃわしゃとするつもりだったんだろう。先輩は、昔からよくするけど・・・正直、髪の毛がくしゃくしゃになるよ!)けど、日吉が私を少し引っ張ったから、先輩の手は、私に触れなかった。・・・助かったよ、日吉!これで、くしゃくしゃにならなくて済む!まぁ、そこまで気にしちゃいないけどね。
「。早く部活に行かないと、遅れる。」
「あぁ、そうだね。ありがとう。先輩は、どうされますか?」
「ん?そうじゃなぁ・・・。まぁ、用は終えたし、帰るかのう。あんまり遅くて、真田に殴られても困るし。」
「フフ、そうですね。それじゃ、これは監督に渡しておきます。遠路はるばる、ありがとうございました。」
「いえいえ。そんじゃ。・・・日吉も、頑張れよ。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
仁王先輩は、背を向けたまま、ひらひらと手を振って、帰っていった。・・・本当、不思議な人だなぁ。
なんて、思っていたら、日吉が突然口を開いた。
「・・・あの人も、ABなんだって?」
「え?うん・・・。そうだと思うよ。」
もう、機嫌は直ったのかな?それにしても、血液型の話、してもいいのかな・・・?
「やっぱり、血液型で判断はできないな。芥川さんと言い、仁王さんと言い、俺と全く似てない。」
「・・・・・・・・・・・・似てないこともないけどね。」
私は半分、日吉の様子を窺いながら、答えた。・・・たぶん、機嫌は悪くないと思う。
それにしても、芥川先輩、仁王先輩、日吉には、天才以外にも共通点があった。
「どこが?」
「え〜っと・・・。今、思ったんだけど・・・。不思議なところ。」
「・・・なんだ、それ。」
「う〜ん・・・。何か、オーラが不思議なの。何を考えてるのか読めないというか・・・。それでも、その人たちは、みんな信用できる。と言うか、何だか安心する。それが、また不思議。」
「・・・訳わかんねぇ。」
そう言って、日吉は少しだけ笑った。・・・あぁ、よかった!本当に機嫌は悪くなかったみたい!
だけど、日吉は今度、少し嫌そうな顔をして言った。
「それに、その人たちと一緒にされても、あまり嬉しくない。」
「まぁ、日吉は日吉だけどね。」
「・・・・・・も、大概不思議だと思うがな。」
「えぇ?そうかなぁ?」
すっかり、日吉の機嫌は直り、私の落ち込みも無くなって、いつも通り、楽しく喋りながら部室に着くことができた。これも、仁王先輩のおかげかな?
その後、部活では芥川先輩捜索に、また日吉が手伝ってくれた。・・・うん、AB型には感謝しなくちゃ。もちろん、他の先輩方や鳳くん、樺地くん、それから赤也たちにも感謝してるし、大好きだけど。やっぱり、AB型が好きかな。だって、何より、日吉がAB型だもんね。・・・要は、日吉が好きってだけか。
もちろん、血液型と性格には何の関係もありませんし、判断できないですけどね。でも、私はAB型の男性が好きです(笑)。・・・と言いながら、B型男性も好きだなぁ。いやいや、A型男性も良いし、O型男性だって捨て難い。
・・・やっぱり、血液型は関係ないですね(笑)。
ちなみに、仁王さんも登場させちゃったのは、完全に私の趣味です!(無駄に断言/笑)仁王さんは切原くんとは違い、ちゃんと応援や協力をしてくれる人だと思います。
('09/11/20)